情報公開法・条例に基づく自己(自社)情報の開示請求(1)
前回まで、民主党政権下の行政不服審査法の改正の動きをフォローしてきました。正確には、改正案(自公政権下で準備された総務省法案)の改正の動きというべきでしょうか。
民主党政権になって、行政法分野の基本的な法律の改正が議論され始めたのは、これだけではありません。国の情報公開法も改正しようという動きが、突如、2010年4月から出てきました。そして、夏の参議院選の後は、行政事件訴訟法の再改正が話題に上るはずです。
ところが、6月に入って鳩山総理が辞任し、菅新総理が選出されました。新内閣において、誰が、行政不服審査法や情報公開法の問題を担当するのか、この原稿を書いている時点では、わかりません。いずれの法改正問題も、いわゆる「政治主導」で進められていますから、政治家が忙しいと、動きが止まります。いつ再開するのか、それとも再開されないのかも、わかりません。誰がこの問題を担当するのかによって、ずいぶんと動きが変わってしまうことが容易に想像されます。(余談ながら、政治主導とは何かも、私の専門の一部ですし、皆さんもご関心があるかもしれませんが、ここでは取り上げません。)
そこで以下、本欄では、いわば、基本的な『筋』に絞って、お話しを進めたいと思います。第1に、情報公開法を改正しようという動きがなぜあるのか、第2に、改正検討項目として既に上がっているものだけで十分なのか、第3に、このような動きは、行政書士にとってどのような意味があるのかを取り上げていきたいと思います。
このうち、第3点に関する結論を先に述べてしまうと、私が注目しているのは、本欄のタイトルの通り、情報公開法・条例を用いて、情報開示を求める本人(個人や団体。企業を含む)に関して国や自治体がもっている情報を開示請求することができるようになるのかどうかということです。
そんなこと、当然認められるのではないかと思われる方が、おそらく大多数(もしかすると100パーセント)だと思います。自分の情報なのだから自分で見てよいと思われるのではないでしょうか。
しかし、実際はそうではないのです。個人だと、個人情報保護法や条例を用いて、自己情報の開示請求はできます。しかし、法人だと、方法はありません。したがって、みなさんのクライアント(法人)に関して、国や都道府県、市町村が持っている情報を見たいと思っても、方法がないというのが、現状です。
次回から、ひとつひとつ見ていきましょう。