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よくあるご質問

暮らしの相談

Q1.

行政書士が立ち上げた成年後見に関する法人について教えて下さい。

A.

平成22年8月に、全国の行政書士のうち、成年後見に関する十分な知識・経験を有する者を正会員として組織する⼀般社団法人コスモス成年後見サポートセンターを設立しました。会員の行政書士は、ご高齢の方、障がいのある方が、ご自身の意思に基づいて、安心でその人らしい自立した生活が送れるよう、財産管理、身上監護を行ってサポートします。
我々は日々研修を行い、会員の資質と向上に努めております。また、会員の指導・監督を徹底するとともに、万が⼀に備えて、会員全員が成年後見賠償責任保険に加入しております。
現在では、全国殆どの都道府県に支部が設立され、所定の研修を終えた会員を、各地の家庭裁判所に、後見人・後見監督人などとして推薦しています。
詳細は、下記サイトをご覧ください。
(⼀般社団法人コスモス成年後見サポートセンター)

http://cosmos-sc.or.jp/

Q2.

任意後見人の職務は誰かが監督してくれるのでしょうか?

A.

任意後見監督人が家庭裁判所により選任され、その職務を監督しますので、利用者が安心できる制度になっています。

Q3.

任意後見契約を締結した後に、取りやめることや変更することは可能ですか?

A.

契約を解除(取りやめ)することは可能です。任意後見監督人が選任される以前であれば公証人の認証のある書面でする必要があり、任意後見監督人が選任された後は家庭裁判所の許可が必要です。また、代理権の範囲の変更など代理権に関わるものは変更できませんので、一旦解除してあらためて契約する必要があります。報酬額など代理権に関わらない部分の変更は可能です。ただし、その場合も、公正証書でしなければなりません。

Q4.

任意後見契約に必要な書類はどんなものですか?

A.

本人の戸籍謄本、住民票、任意後見人の住民票、本人と任意後見人の実印、印鑑証明書などです。

Q5.

任意後見契約の利点はどのようなものですか?

A.

自分の老後は自分で決めるという積極的なライフスタイルの実現が可能な点です。また、権限以上の事はしてほしくない、判断能力が落ちても正気に戻っているときにした判断を取り消してほしくない、自分の知っている信頼のおける人に頼みたいなどとお考えの方に向いていることや、通常の事務委任契約と同時に締結しておくことで、判断能力が衰える以前から、法的サポートを頼めることなどが挙げられます。

Q6.

任意後見契約をするにはどうすればよいですか?

A.

信頼できる受任者と委任事項(代理権を与える内容)を決めて、公証役場で公正証書により契約を締結します。受任者は、未成年であるなど法律で定められた一定の欠格事由に該当しなければ、ご家族、親戚の方でもなることができます。身の回りに適任者がいないときは専門家に依頼するのがよいでしょう。行政書士も任意後見契約業務を扱っています。詳しくはお近くの行政書士にお尋ね下さい。

Q7.

成年後見制度と任意後見契約とは、どのような違いがありますか?

A.

後見業務に関しては概ね同じですが、任意後見契約の場合は付与する権限を自分で決めておくことができます。また、報酬額も決めておくことが可能です。
注意点としては、任意後見人には本人の自己決定権の尊重という趣旨から、「取消権」が認められていません。この点が、法定後見人と任意後見人の大きな違いでもあります。

Q8.

任意後見契約とはどのようなものですか?

A.

将来、認知症になったときのことなどを考えて、事前に自分が信頼する人と後見契約を結んでおくものです。Q6でお答えしたように、法定後見の場合は、必ずしも自分が信頼する人が後見人になるとは限りませんので、「自分で決めておきたい」という方は任意後見契約が適しているといえます。

Q9.

成年後見制度を利用したいのですが費用が負担できませんどうしたらよいでしょうか?

A.

成年後見制度の利用を支援するために、費用負担が困難な人を対象に市町村が助成をしているところがありますので、一度お住まいの市町村役場に相談してみてください。

Q10.

夫が認知症になり介護をしていますが、他に身寄りがなく自分も高齢で将来が不安です。成年後見制度を利用するべきでしょうか?

A.

あなたが元気でおられる現時点では、費用の問題もありますのでご主人の成年後見を急がれる必要はありませんが、あなた自身が認知症となるなど不測の事態に備えるために、任意後見契約と遺言を作成することも選択肢の一つです。あなたが認知症になったときは任意後見人が後見事務を開始しますし、お亡くなりになった場合でも遺言に遺言執行者を指定し、ご主人の成年後見開始について記載しておけば後見開始の申し立てがなされます。お近くの行政書士等にご相談され、十分にお考えになってから判断されることをお勧めします。

Q11.

成年後見制度を利用すると、戸籍に記載されますか?

A.

旧制度では戸籍に記載されましたが、新制度では戸籍に記載されることはありません。戸籍記載により不当な差別を受けないよう配慮されています。ただし、契約後の取消等で契約の相手方が不利益を受けないように、東京法務局の後見登記等ファイルには記載されます。(一般には非公開)

Q12.

成年後見制度を利用しない場合に考えられる問題は何ですか?

A.

入院・入所契約や介護サービス契約を締結する、遺産分割協議をするなどの法律行為が本人では難しく不利益を被る可能性があること、悪徳商法等の被害に遭っても取り消すのが容易ではないことなどです。

Q13.

成年後見人、保佐人、補助人は、成年被後見人、被保佐人、被補助人の身の回りの世話もしてくれるのですか?

A.

後見人等は法律行為(各種の手続)を代理しますが、介護や身の回りの世話などの事実行為は通常行ないません。身上配慮をし、介護サービス業者や福祉行政との交渉等は行ないます。

Q14.

成年後見人、保佐人、補助人の報酬額はいくら位ですか?

A.

家庭裁判所が後見業務の内容、本人の資力等を総合的に判断し、報酬を付与するか否か、報酬額をいくらにするかを定めますので一概には回答できません。本人が無資力の場合は、市町村の条例等で成年後見制度利用事業として定めている場合がありますので補助を受けることが出来る可能性があります。詳しくは市町村の福祉関係部署にお問い合わせ下さい。

Q15.

成年後見人、保佐人、補助人はどのようなことができますか?

A.

本人のため、財産の維持管理、生活、療養、介護に必要な手配をする権限が与えられます。反面、これは義務でもあります。後見人については全ての取引行為に、保佐人、補助人については家庭裁判所の審判により付与された特定の取引行為について代理権があります。また、悪徳商法等の契約の取消権もあります。(保佐人、補助人は同意権の範囲内で取消権を有します。)
また、後見人等は、入院・入所手続等の契約は代理できますが、手術など医療行為に対する同意権は持ちませんので、その点は注意が必要です。

Q16.

成年後見人、保佐人、補助人はどのような人がなれますか?

A.

特に資格はありませんが、下記に該当する人は選任されません。

  1. 未成年者
  2. かつて家庭裁判所で後見人等を解任されたことがある人
  3. 破産者
  4. 本人に対して訴訟をしている又はしたことのある人又はその配偶者、直系血族に当たる人
  5. 行方の知れない人

また、一切の事情を考慮して家庭裁判所が選任しますので、申立人の意向が必ずしも通るとは限らない点で注意を要します。

Q17.

成年後見制度の手続の具体的な流れはどのようになっていますか?

A.

下記のような流れで、おおむね3〜4ヶ月の期間を経て後見が開始されます。

  1. 家庭裁判所に後見開始の審判の申立て
  2. 家庭裁判所調査官による調査
  3. 医師による鑑定
  4. 家事審判官による審問
  5. 家庭裁判所による審判
  6. 後見開始

Q18.

成年後見制度を利用するにはどうすればよいですか?

A.

本人、配偶者、4親等内の親族(4親等内の血族又は3親等内の姻族)、他類型の援助者(保佐人、補助人)、未成年後見人、監督人及び検察官若しくは市町村長(身寄りがない場合)が申立人となり、家庭裁判所に申し立て、審判を受ける必要があります。詳しくは家庭裁判所にお問い合わせ下さい。

Q19.

成年後見制度の利用対象となる人は?

A.

認知症、知的障害、精神障害等で判断能力が不十分となった人で、家庭裁判所に申立て、審判を受ける必要があります。

Q20.

成年後見制度とは、どういったときに利用するものですか?

A.

認知症、知的障害、精神障害等で判断能力が不十分となった人の法律行為を代理し、本人に代わって財産を管理し、本人が不利益を被らないように保護する必要のある場合などですが、身寄りのない人が病院に入院または施設に入所するときの法律行為(契約等)を代わってする場合なども考えられます。

Q21.

成年後見制度とはどのような制度ですか?

A.

認知症、知的障害、精神障害で判断能力が不十分な人の法的保護と支援を目的にした制度で従来からもありましたが、現在では2000年(平成12年)4月1日から改正施行された新しい成年後見制度になっています。具体的には、判断能力が不十分になると介護サービスを受ける場合の契約が困難であったり、不利な契約をさせられることや悪徳商法の被害にあう可能性があり、そのようなときに本人に代わって後見人等が法律行為をし、法的保護や支援をするというものです。

Q22.

行政書士に離婚の相談をしたいのですが?

A.

我々行政書士は、離婚に関する相談(行政書士の業務範囲の相談に限る)、離婚協議書の作成、離婚契約公正証書作成のお手伝い等広く離婚に関する相談をお受けしています。
離婚に関する業務を専門に取り扱っている行政書士も在籍しておりますので、お気軽にご相談下さい。詳しくは、各都道府県行政書士会にお問い合わせ下さい。

Q23.

私の知らない間に相手から一方的に虚偽の離婚届が提出され、離婚事実が戸籍に記載されることを防ぐ方法はありますか?

A.

離婚届は双方に離婚意思があって初めて受理されるべきものですが、書面に不備さえなければ、たとえ夫婦の⼀方が離婚届を偽装、提出したものであっても離婚が成立してしまいます。このような事態になるのを防ぐために、「離婚届不受理届」があります。
この不受理届を提出しておくと離婚届は受理されなくなりますので、心配な方はもちろん、そうでない方も念の為に提出しておくことをお勧めします。
離婚届不受理申出書の提出は、原則として届出人の本籍がある市区町村の役所となっていますが、本籍地以外の市区町村に提出することもできます。
提出の際は本人確認が出来るもの(免許証、パスポートなど、顔写真の付いたもの)と、印鑑(認印で可) が必要です。

Q24.

平成19年4月から年金制度が変わり、夫の年金の半分を離婚した妻が受け取れるようになったと聞きました。熟年離婚を考えているので、この制度について教えて下さい。

A.

この制度は、平成19年と20年の2段構えで仕組みが変わりました。
平成19年度4月から、婚姻期間中に該当する夫の報酬比例部分(老齢厚生年金)の最大2分の1を妻が受け取れるようになりました。これには夫の合意か裁判所の決定が必要となります。
更に、平成20年度4月からの新制度では、妻が社会保険事務所に申し出れば、夫の合意が無くても報酬比例部分(同)を半分もらえるようになりました。ただし、無条件でもらえる部分は、平成20年4月以降の婚姻期間についてのみとなり、それ以前の婚姻期間に関しての分は、やはり夫の合意などが必要です。
この制度を期待する方も多いようですが、無条件で半分獲得は現実には非常に難しいといえます。

注)年金の問題は、年齢や就労条件などによって個々のケースで大きく異なります。日本年金機構が提供する年金分割に関する情報提供サービス等を利用し確認するか、最寄りの年金事務所に年金手帳を持参しご相談下さい。
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/jukyu-yoken/20140421-04.html

Q25.

「保護命令の申立書」に記載する内容はどのようなことでしょう?

A.

配偶者からの暴力を受けた状況などのほか、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談した事実等があれば、その事実を記載します。事前に、センターや警察に相談していない場合は、公証人役場で認証を受けた書面を持参して下さい。公証人による書面の認証には費用がかかります(参考:平成26年7月現在1万1千円)。

Q26.

暴力がエスカレートし、身の危険を感じるような場合はどうすればよいでしょう?

A.

地方裁判所に「保護命令の申立」を行うことができます。命令の種類は、(1)接近禁止命令(6か月)(2)住居からの退去命令(2か月)これは、事実婚の相手・離婚した配偶者に対しても申立をすることができます。申し立てに基づき裁判所が加害者に対して命令を発します。これに違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

Q27.

夫からの肉体的・精神的暴力を受けているのですが、さらなる暴力が怖くて離婚を言い出せません。どうすればよいでしょうか?

A.

都道府県が配偶者からの暴力について支援センターの機能を果たしています。まずはセンターや警察に相談をして下さい。センターでは、相談やカウンセリング、必要であれば保護施設の紹介、自立生活促進のための情報提供や援助を行ってくれます。

Q28.

配偶者からの暴力には、身体的なものだけではないと聞きましたが、どのようなものがみとめられるのですか?

A.

身体的暴力を始めとして次のような暴力が含まれます。いずれか単独で行われるというより、複合的な形で起る場合が多くみられます。

  1. 身体的暴力
    殴る、蹴る、押す、つかむ、つねる、刃物など凶器を突きつけるなど、ほとんどの場合刑法の傷害罪や暴行罪などに該当する違法な行為で、たとえ配偶者間であっても処罰の対象となります。
  2. 精神的暴力
    大声で怒鳴る、口汚くののしる、無視する、見下す、脅す、相手が大切にしているものを壊す・捨てるなど、心ない言動で相手の心を傷つける行為です。その結果、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に至った場合は、刑法上の傷害罪にあたることもあります。
  3. 性的暴力
    嫌がっているのに性行為を強要する、中絶を強要する、避妊に協力しない、ポルノビデオや雑誌を無理矢理見せるなどです。
  4. 経済的暴力
    家にお金を入れない、妻を働かせない、お金の使途を細かくチェックする、妻名義の借金をするなどです。
  5. 社会的暴力
    社会生活上で人間関係や行動を制限するもので、妻の生活や人間関係・行動などに対して管理したり制限したりする、実家や友人との付き合いを制限し妻を独占しようとする、交友関係や電話を細かくチェックするなどがあります。
  6. 子どもを利用しての暴力
    子どもに暴力を加えたり、暴力を振るう場面を見せたりする、「子どもが怪我してもいいのか」といって脅す、妻から子どもを取り上げる、子どもに母親を中傷、非難することを言わせるなどがあります。

Q29.

離婚後未成年の子をもつ母子家庭になりますが、しておくべき手続はありますか?

A.

離婚後の手続(主に母親側のする手続)として次のようなものがありますが、それぞれ右に記載の役所窓口か専門家にお尋ねください。
離婚後未成年の子をもつ母子家庭になりますが、しておくべき手続はありますか?

 

  1. 子の氏(姓)の変更許可の申し立て 家庭裁判所
  2. 子が母の戸籍へ入る場合の入籍届け 市町村(区役所)戸籍係
  3. 児童扶養手当 市町村(区役所)又は福祉事務所
  4. 児童手当 市町村(区役所)又は福祉事務所
  5. 母子医療助成 市町村(区役所)又は福祉事務所
  6. 健康保険 市町村(区役所)又は会社
  7. 国民年金 市町村(区役所)

Q30.

夫婦の一方が外国人の場合や双方が外国人の場合はどうすればよいですか?

A.

どこの国の法律が適用されるか(準拠法)が問題となりますが、「法の適用に関する通則法」という法律によります。夫婦が日本に住んでいる場合、概ね日本の法律が適用されますので、協議離婚も裁判による離婚も日本人同士と同様の場合が多いです。とはいってもケースバイケースですので、詳しくは行政書士等の専門家にお尋ねください。

Q31.

扶養料、財産分与、慰謝料とは?その金額の基準は?

A.

次のとおりです。それぞれの金額の基準はありますが、あくまでも話し合いによります。

  1. 扶養料:
    子供が成人するまで夫婦には扶養の義務がありますが、夫(父親)の全収入で子供の扶養が行われている場合には、子供が成人するまで又は大学を卒業するまで夫は妻子に支払うことになります。ただし、財産分与に含まれない場合です。
    その金額ですが、子一人当たり3万円から5万円が多いようですが、夫の収入を参考に決定することが多いようです。
  2. 財産分与:
    婚姻生活中に夫婦の協力で蓄積された財産を離婚に際して清算し分配することで、離婚後の妻子の生活補償をかねようとするものです。
    その金額ですが、法律上の算定方式はありません。基本的には夫婦の話し合いにより決定しますが、事情に応じて数十万円から一千万円程度までの間で、判例を基準とすることが多いようです。
  3. 慰謝料:
    精神的苦痛損害金とも言いますが、離婚の原因を作り出したほうが、相手に対して支払うべきものです。

Q32.

協議離婚のときにどのような内容に注意し、話し合えばよいですか?

A.

次のような内容を盛り込み、そのうえで書類(離婚協議書)にまとめるほうがよいでしょう。

  1. 未成年の子がいる場合の親権者、監護養育権者
  2. 離婚後の姓と新戸籍の編成
  3. 子の扶養料(養育費)
  4. 財産分与
  5. 慰謝料
  6. 子との面会権
  7. 現実の別居、離婚届の提出、荷物など

Q33.

有責配偶者からの訴を提起することができますか?

A.

次のような場合に認められたケースがあります。

  1. 別居期間が長い(概ね5年以上)
  2. 未成熟の子供がいない(高校生未満)
  3. 相手の配偶者が精神的・社会的・経済的苛酷な状況におかれない

Q34.

慰謝料及び有責配偶者とは?

A.

有責配偶者とは不貞を犯した配偶者、暴力を振るった配偶者などのことです。その場合 相手方配偶者は、有責配偶者に対して慰謝料を請求することができます。

Q35.

A5の原因のうち5.の重大な事由の具体例はどのようなものですか?

A.

次のような場合がありますが、認められるかどうかはケースバイケースのようです。

  1. 暴力:
    一過性の暴力の場合は認められないこともあるようです。
  2. 浪費:
    程度によりますが多額の借金、ギャンブル好き、勤労意欲の欠如など。
  3. 飲酒癖:
    働かずに飲酒ばかりしている、飲酒の上で暴力を振るうなど。単なる飲酒好きという程度は原因とならないようです。
  4. 性格の不一致:
    自己中心的な性格、わがままなどにより婚姻生活が回復し難いまでに破綻していると判断される場合など。
  5. 親族との不仲:
    単なる嫁姑の不和程度では原因とならないようです。
  6. 宗教活動:
    宗教観があまりにも違うため、婚姻生活が回復し難いまでに破綻していると判断される場合など。

Q36.

法律で定められた離婚原因にはどのようなものがありますか?

A.

次の場合に限って離婚の訴を提起することができます。

  1. 配偶者に不貞な行為(貞操を守らないこと)があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄(すてられること)されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

Q37.

「家庭裁判所の関与」とは?

A.

離婚協議ができなかった場合、まず家庭裁判所に調停の申立をする必要があります。 家庭裁判所調査官の事実調査や調停委員の意見を参考に、当事者間で離婚の合意が成立する場合を調停離婚といいます。
調停が不成立の場合に、家庭裁判所が職権でこれまでの調停内容を考慮した審判をします。審判について2週間以内に異議申立がない場合に成立する離婚を、審判離婚といいます。
他方、調停が不成立の場合に、審判に移行しない場合や、審判に異議申立があった場合には,離婚訴訟を起こすことになります。訴訟により成立する離婚を裁判離婚といいます。なお、離婚訴訟で離婚を請求するには、法律で定められた離婚原因が必要です。 また、裁判途中でも、双方の歩み寄りにより和解して成立する離婚を和解離婚、訴訟を起こされた側が、起こした側の言い分を全面的に受け入れて成立する離婚を認諾離婚といいます。

Q38.

(2)裁判所の手続きを利用して離婚する方法とは?

A.

夫婦間の話し合いが整わず協議離婚ができない場合に、家庭裁判所の関与により成立する離婚です。
調停離婚、審判離婚、裁判離婚の3種類があります。

Q39.

(1)協議離婚とは?

A.

離婚原因について法律で規定されているわけではありません。離婚について争いの余地がなく、夫婦双方に離婚の合意がある場合に、届け出ることによって成立する離婚です。

Q40.

離婚をするにはどういう方法がありますか?

A.

大きく分けると、次のふたつの方法があります。

  1. 夫婦が話し合いで合意する方法(協議離婚)
  2. 裁判所の手続きを利用して離婚する方法

Q41.

先日、知り合いにお金を貸しました。ある程度大きな金額ですので、今になって不安になったのですが、その時に借用書を作っていません。大丈夫でしょうか?

A.

借用書等の契約書がなくても、口約束(互いの意思表示)のみで契約は成立します。その時に、返済時期、利子等の約束まで交わしているならば、相手方もそれに拘束されることになるのです。将来的に相手方の翻意を心配されているならば、今からでも契約書を作成するとよいでしょう。「金銭消費貸借証書」、「債務確認書」等の契約書になるでしょう。

Q42.

契約書を作成するメリットは何ですか?

A.

契約書とは、契約の内容を明確にするために契約当事者間で作成する書面です。
わが国の民法では、契約書の作成は、原則として契約成立の要件ではありません。そのため、取引の現場では、口頭確認や受・発注書の交換のみで契約を済ませてしまうことがありますが、後日、契約内容についての当事者の見解が食い違ったときに、どちらの言い分が正しいのかを明らかにすることができません。 契約書は、契約内容を明確にし、後日の紛争を予防するという効果があります。

Q43.

内容証明のメリット・デメリットについて教えてください

A.

メリットは、いつ誰から誰宛にどのような内容の文書が出されたかを証明できることや相手側に心理的圧迫を与えることができるということです。
デメリットは形式・字数に制限がある。内容証明文書以外のものを同封できないことなどがあります。
内容証明はあくまでも手紙に過ぎませんが、差し出すタイミングや書き方等注意すべき点もあります。行政書士は、権利義務に関する書類作成の専門家です。ご不明な点は、お近くの行政書士にご相談下さい。

Q44.

電子内容証明サービス(e内証証明)と、効力に違いはあるのでしょうか?

A.

違いはありません。

詳しくは「e内容証明の専用ウェブサイト」http://enaiyo.post.japanpost.jp/をご覧ください。

Q45.

内容証明と配達証明は、必ずセットにしなければいけないのですか?

A.

必ずではありませんが、後で知らないと言われないためにセットが望ましいです。

Q46.

内容証明は、書留以外でも出せますか?

A.

できません。一般書留とする必要があります。

Q47.

内容証明で事実が証明できますか?

A.

書面の内容文書の存在が証明できるだけで、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。

Q48.

上記Q1の書類の内、内容証明とは何ですか?

A.

いつ誰から誰宛にどのような内容の文書が出されたかを郵便局が証明するものです。

Q49.

権利と義務とは?

A.

権利と義務の関係には、個人対個人、個人対事業者(官公庁も含みます。以下同様)そして事業者(官公庁)対事業者(官公庁)の間に法律的な効果を発生(存続、変更、消滅等)させる契約(覚書、念書なども契約書の一種です)があります。行政書士の権利義務に関する業務とは、これら契約文書を作成(代理作成も含みます)する業務です。
具体的には以下のような書類を作成することです。

  1. 売買、賃借、請負、雇用、身元保証等の契約書、境界確定書又は協定書の作成(官民境界、民民境界。)
  2. 遺言書、遺産分割協議書等の作成
  3. 各種内容証明書の作成
  4. 法人設立のための書類(発起人会議事録を含む創立総会議事録、取締役会議事録、株式申込書、定款等)
  5. 就業規則を含む各種規則
  6. 念書、示談書、協議書、覚書、合意書、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書等
  7. 自動車損害賠償保険法の規定による保険金の請求に係る書類の作成
  8. 著作権登録、著作物の確定日付、プログラム登録、著作権契約

行政書士の権利義務に関する業務にはこれ以外にも沢山ありますが、具体的な内容についてはお近くの行政書士にご相談ください。

Q50.

(自転車事故) 自転車と歩行者の事故の場合で過失割合はどのようになるのでしょうか?

A.

よくホームページなどに、自転車と歩行者の過失割合について、何%対何%などと載っていますが、参考程度にしてください。事故の状況で、ひとつとして同じ事故はなく、ケース・バイ・ケースです。
過失割合については、信頼のおける専門家にご相談下さい。

Q51.

(自転車事故) 歩道を歩行中、自転車がぶつかって来て怪我をしました。警察に届けるべき、でしょうか?

A.

人身事故の場合、どんな小さな事故でも、加害者は警察に届け出る義務があります。自転車と歩行者の場合、自転車搭乗者が届け出ない場合もあり、被害者が届け出を出した方がいいと思います。
自転車と歩行者の事故や、自転車同士の事故により、歩行者等を死傷させた場合、自転車利用者に過失または重過失があるときには、業務上過失致死傷罪が課せられることがあります(刑法第211条第1項)。

Q52.

(保証) 友人の賃貸借契約の保証人になろうと思いますが、注意する点はありますか?

A.

一般に、賃貸借契約においては、連帯保証人となる場合が多いです。連帯保証人となる人も、賃貸借契約および保証契約の内容を十分に理解した上で判断してください。

Q53.

(保証) 保証人と連帯保証人の責任に違いはあるのですか?

A.

責任に違いはありません。どちらも主たる債務者の債務を保証することに違いはありません。(民法第446条)
債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべきであるということができ(催告の抗弁権、民法第452条)、また、債権者がこの規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければなりません(民法第453条、検索の抗弁権)。
一方、連帯保証人にはこれらの抗弁権がなく、債務者と同じように債務の履行の請求を受けます。

Q54.

(保証) 友人の金銭消費貸借契約の保証人になって欲しいと頼まれました、保証人には誰でもなれるのですか? また、一旦保証人になった後、気が変わった場合は保証人をやめることはできますか?

A.

保証人とは、債務者が立てる場合は、行為能力者で弁済能力があれば、基本的には誰でもなれます。(民法450条)
保証をすれば、金銭消費貸借契約に附随的に、債権者と保証人との間に保証契約が成立します。保証契約締結後は、原則として、債権者が同意するか、弁済が終了するかしなければやめることができません。但し、債権者側に詐欺や強迫があった場合は、保証契約を取り消して保証人をやめることが出来る可能性があります(民法96条1項)。

Q55.

(契約書) 契約書を作るとき、捨印をして欲しいと頼まれました。どうしたらいいでしょう。

A.

改ざん防止のために、避けるべきです。

Q56.

(委任状) 委任状を作成する際、特に注意すべき点はありますか?

A.

委任する事項の内容を出来るだけ明確(具体的)にすることです。白紙委任状の作成は避けて下さい。

Q57.

(賃貸借) 賃貸借契約書に特約として、敷金が全額返還されない条項が含まれていた場合は、それに従わなければならないのでしょうか?

A.

敷金のうち、一定金額を差し引く制度を敷引きといいますが、敷金は全額返すのが原則であることを考えれば、敷引きの特約があるからといって、必ずしも家主は敷金返還義務を免れるわけではありません。
特に、借家人の過失の有無に関わらず敷金は一切返さない旨の特約は、消費者契約法に反し無効とする最近の判決もあります。たとえ家主が個人であっても、反復継続して賃貸マンションを経営している場合には、消費者契約法の適用があります。

Q58.

(賃貸借) マンションを出ることになりましたが、家主さんが敷金を全額返還してくれません。どうしたらいいでしょう。

A.

敷金とは、家主にとっては、借家人が借りた部屋を明け渡すまでに生じた一切の債権を担保する金銭のことをいいます。敷金は通常、入居日までに家主側に差し入れ、契約期間が終了し明渡しを完了した後、「未払い家賃」や「原状回復費用」を差し引いた上で、返還されます。
法的には、敷金は家主が借主から「預かっている」にすぎないものですから、「未払い賃金」や、借りた部屋を故意・過失により汚したり破損したりがない限りは、「全額」返還されるのが原則です。ただここで、最もトラブルの原因となりやすいのは、「原状回復費用」について両者の言い分が違うことです。話し合いがつかない場合は、専門家にご相談ください。

Q59.

(賃貸借) 借家の修繕をしたいのですが、家主さんに修繕費用を持ってもらえるのでしょうか?

A.

民法では、賃貸人は賃貸物の使用をするのに必要な修繕をする義務があると規定しています。(民法第606条)。借家人は修繕の必要なその旨を家主に伝えたうえで(民法615条)、家主に修繕を求め、自ら修繕費用を出したときは家主にその償還を請求できることになっています。(民法第608条)
一般的な修繕費用の負担基準としては、建物の主要構造部分(柱、屋根、壁、床、基礎土台など)については、家主に修繕義務があるとされ、建物の付属部分(畳、建具、ふすまなど)は借家人に修繕義務があるとされています。
しかし、特約等により借家人が修繕義務を負うとされている場合などもあり、そのようなケースでは個別事案ごとに判断が必要になります。

Q60.

(特定商取引法) 判断能力が不十分な高齢者が訪問販売で勧誘されるままたくさんの布団を購入しました。解約できるでしょうか?

A.

訪問販売では、その日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約は、契約締結から1年間契約の申し込み撤回又は売買契約の解除ができます。ただし、申込者等に当該契約の締結を必要とする特別の事情があったとみなされるとできません。

Q61.

(特定商取引法) 訪問販売がしつこく、断りにくくて困っています。

A.

訪問販売では、消費者が契約しない旨の意思表示をした場合は、それ以上勧誘してはならないことが法律に明示されています。はっきりと断るようにしてください。

Q62.

(特定商取引法) 「クーリング・オフ」はどんな場合にできますか? 消費者契約法による契約の取消とどう違うのですか?

A.

訪問販売、電話勧誘等不意打ち的勧誘により商品や役務を購入した場合、契約書を受け取った日から8日以内(マルチ商法、内職・モニター商法は20日以内)であれば、原則無条件で契約の申込の撤回または契約の解除ができること(クーリング・オフ)が、特定商取引法などで定められています。一部の例外を除き、原則全ての商品と役務(サービス)が対象となります。
じっくり考えてから購入できる店舗での買い物や通信販売には、クーリング・オフは適用されません。誤認、困惑の理由がある場合は、消費者契約法による取消ができます。通信販売の場合は、事業者が独自に解約や返品についてのルールを設けている場合があり、契約前に返品ルールの有無と、その内容をよく確認しましょう。

Q63.

(消費者契約法) 契約の取消はどうすればいいのですか?

A.

取消の意思表示は、口頭による場合でも有効ですが、取消の意思表示と日付を明確にするためには、内容証明郵便等により、書面で事業者に通知する方がいいでしょう。(Q2参照)
また、紛争になった場合、取消しの理由は消費者側が証明する必要があるので、契約書、パンフレット、説明資料や説明を受けた時のメモなどは大切に保管しておきましょう。

Q64.

(消費者契約法) いつまでに取消をすればいいのでしょうか?

A.

取消権は誤認に気がついたとき又は困惑行為の時から6ヶ月、契約成立後から5年以内であれば行使出来ます。

Q65.

(消費者契約法) 契約の取消以外に、消費者の救済方法はありますか?

A.

事業者の定型的な契約書(及び約款)を使用するような場合、契約の内容が消費者の利益を一方的に害するとき、消費者契約法は、その条項を無効とするとしています。
例:法外なキャンセル料を要求するもの、事業者の損害賠償責任を免除や制限しているものなど。

Q66.

(消費者契約法) どのような契約を取消すことが出来ますか?

A.

契約を勧誘する事業者に以下のような不適切な行為があり、それによって契約をした場合は取消すことができ、大きく分けて次の2つのケースがあります。

  1. 事業者の情報提供が不適切なため、消費者に「誤認」を生じた場合
    • 事業者が重要事項について真実と異なることを言った。(不実告知)
    • 将来の見込みを断言した。(断定的判断の提供)
    • 消費者に不利益なことを知っていて隠していた。(故意の不利益事実の不告知)
  2. 事業者による不当な強い働きかけがあり、消費者が「困惑」した場合
    • 自宅や職場に来て帰って欲しいと言ったのに居座って契約を結ばせた。(不退去)
    • 呼び出されて帰してもらえず契約を結んでしまった。(監禁)

Q67.

(消費者契約法) どのような契約が対象になりますか?

A.

消費者と事業者の間で締結される契約(労働契約を除く)の全てが対象となります。
この場合の「事業者」とはすべての法人及び「事業として又は事業のために契約の当事者となる」個人をいいます。
また、「消費者」とは前記以外の個人をいいます。ですから、消費者が個人の場合であっても、事業のためにした契約は、消費者契約法の対象にはなりません。

Q68.

「公正証書」とは何でしょうか? どんなときに使いますか?

A.

公正証書は、公証人が法律に則って作成する公文書で、遺言公正証書、任意後見契約公正証書、金銭の貸借に関する契約や土地・建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書などがあります。
公正証書は証明力が高く、強い執行力を持ちます。債務者が金銭債務の支払を怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。
どんな場合に公正証書にした方がいいか、どんな場合に公正証書にしなければならないかについては、行政書士にご相談ください。

Q69.

「内容証明」とは何でしょうか? どんなときに出すのでしょうか?

A.

「内容証明」とは、郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を差出人が作成した謄本によって日本郵便が証明することで、法的な証拠付けになり得るため、クーリング オフの場合など各種通知書や催告書などを出す場合に使います。
ただし、内容証明は証拠付けになっても、法的強制力はありません。
また、場合によっては、むやみに内容証明を出すと相手の態度を硬化させることにもなりかねません。出す場合は行政書士に相談されることをお勧めします。

Q70.

内縁の夫(妻)が死亡した場合、残された者はそのまま亡くなった人の名義の不動産に住む事は出来るのでしょうか?

A.

◇相続人がいる場合

  1. 判例は「賃借権自体は相続財産であるので内縁の妻には承継されないが、内縁の妻等は相続人の承継した賃借権を援用する形で居住権を主張できる」としています。
  2. 相続人が「賃借権を持っているのは相続人である私であり、内縁者であるあなたに賃借権はないのだから家を明け渡してくれないか?」ということを言ってくることも十分に考えられます。この点、判例は賃借権を持つ相続人が家を利用するにつき特別な事由があることを要求しています。つまり特別な事由がないのに明け渡せということは権利の濫用(自分の持つ権利を本来の目的から外れた形で用いること)に当たるとし、認められないということです。

◇相続人がいない場合

賃借人に相続人がいない場合には、内縁者に賃借権を承継させるという規定が借地借家法にあります(借地借家法第36条)。この条文の趣旨は、もし被相続人に相続人がいない場合にはそれまで生活を共にしてきた内縁者に特別に承継させようというものです。

Q71.

亡くなった人の名義の借家にその相続人が住むことはできるのでしょうか?

A.

家を借りその家を利用する権利を賃借権といいますが、この権利は相続財産ですので、相続人が相続放棄等をせずに相続されているのでしたら、たとえ家主から出て行くよう申し出があったとしても相続した賃借権を持って対抗できます。

Q72.

遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)とは何でしょうか?

A.

遺留分の侵害を回復するための権利です(民法第1031条)。相続によって受ける利益の価額が遺留分額を下まわる場合に、その差額を限度として成立します。
行使の相手方には、受遺者・受贈者たる相続人のほか、他の相続人の遺留分を侵害する相続分指定を受けた相続人も含まれます。
この権利は権利者ごとに行使するかどうか個別に決めることができます。減殺する旨の意思表示だけでよく、裁判による必要はありません。減殺請求権を行使すべき期間は限られており、遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき遺贈又は贈与のあったことを知った時から1年(時効期間)、相続開始の時から10年(除斥期間) が経過すると請求できなくなります。

Q73.

我々相続人以外の第三者に全財産を遺贈するとの遺言が見つかりました。今後の生活に支障が出ます。一部でも相続財産を確保できないでしょうか?

A.

被相続人個人の相続財産の処分は原則として自由ですが、被相続人に依存していた一定の親族のために遺産の一部を留保させる制度が遺留分です。
死亡した人の財産に対する遺族の期待を保護する制度として遺留分があります。遺留分とは、個人の財産処分の自由を一定程度制限し、遺族のため、財産の一部を保留させる制度です。
例えば被相続人が、相続人以外の第三者に全財産を遺贈した場合、相続人は一定の範囲で財産を取り戻す権利(遺留分減殺請求権・民法1031条・Q3.)を当然に得ることになります。
また、被相続人が一部の相続人に相続財産の全部または大部分を遺贈した場合は、他の相続人は遺留分を主張できる場合があります。

 

  • 遺留分権利者
    兄弟姉妹以外の相続人、すなわち、配偶者、子、直系尊属です(民法第1028条)。子の代襲相続人も含まれます。

 

  • 遺留分の割合
    直系尊属のみが相続人であるときは被相続人の財産の3分の1、その他の場合には2分の1(民法第1028条)。遺留分権利者が複数の場合は、これに法定相続分を乗じたものが各人の遺留分になります。

 

Q74.

株券を自宅や貸金庫などで保管している場合、相続手続について気をつけることは何でしょうか?

A.

上場企業の株券は、2009年1月より株券電子化により法律上、株券自体は無価値となり、無効(ただの紙切れ)となっていますが株主の権利は証券会社などの金融機関の取引口座において株券電子的に管理され、これまでどおり株主の権利は守られています。
但し、株券電子化時に本人名義(相続人名義)ではなく被相続人名義のままであった場合、株券電子化に伴い、株主としての権利を保全するために株主名簿上の名義で「特別口座」が開設されますが、そのままでは株式の売買などの取引はできないので、株式の相続による名義書換の手続を行ってください。

Q75.

寄与分とはどういうものでしょうか?

A.

寄与分とは、共同相続人中に被相続人の財産の維持又は増加について特別の「寄与」をした者があるときは、遺産分割に際し、寄与分の加算をして相続人間の実質的公平を図る制度です(民法第904条の2)
協議による遺産分割又は家庭裁判所の審判(調停)のどちらで決めてもかまいません。
考慮の対象となる「寄与」とは、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法によるものです。計算方法は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、その者の法定相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とします。

Q76.

特別受益の持戻しとはどういうものでしょうか?

A.

特別受益の持戻しとは、相続人中に被相続人から特別の財産的利益を受けた者があるときは、遺産分割に際し、その点を考慮して相続分決め、他の相続人との間に計算上不公平が生じないようにする制度です。(民法第903条、第904条)
対象となる特別の利益とは、特定の相続人が、(1)被相続人から受けた遺贈や、(2)被相続人から生前に受けたある程度高額の財産的利益です。具体的事例としては結婚時の持参金、居住用建物の購入資金・開業資金などがあります。

Q77.

相続財産を、遺産分割する(数人の相続人で分ける)には、どのような方法がありますか?

A.

遺産分割は、共同相続財産の最終的帰属を決定するための手続きで、当事者間の合意によるものと、家庭裁判所の審判による場合とがあります(民法第907条)。 協議による遺産分割は、相続人となる者全員の合意が必要です。この合意が得られない場合は、家庭裁判所に調停を求めることが出来ます。これで決着しない場合は審判へと移行します。
なお、相続人のうち、子供が胎児であるとか、未成年者である場合には、親権者と子の利益相反行為になるので、家庭裁判所に特別代理人を選任して貰わなければなりません。(民法第826条)

Q78.

遺産分割協議書とは何ですか?

A.

遺産分割の協議が行われた後、その結果を書面にして残したものが遺産分割協議書です。必ず作成しなければならないわけではないのですが、遺産に不動産が含まれている場合は登記手続きの際、添付書面として必要になります。銀行での手続きの際にも必要な場合があります。
また、後日の紛争を避けるためにも、作成しておいた方が望ましいといえます。

Q79.

父の遺産を相続する手続きについて教えてください。

A.

概ね次の手順で手続きをします。詳細は行政書士にご相談ください。

  1. 遺言が残されていないかご確認ください。遺言があれば、遺言に基づく遺言執行手続を行う必要があります。
    遺言がない場合は、次の手順に進んでください。
  2. お父様の出生から死亡までの戸籍などを調査して、相続人を特定します。
  3. 民法第900条に基づいた法定相続分の割合で相続するのか、相続人全員による遺産分割協議に基づく割合で相続するのか、相続人で決定します。
  4. 法定相続分による相続の場合は、上記2.の戸籍などの公的証明書類を添付して分割の手続きを行います。遺産分割協議による相続の場合は、上記2.の戸籍などの公的証明書類に遺産分割協議書の添付が必要です

Q80.

相続の放棄とは、どういう効果を持つものなのですか?

A.

相続の放棄とは、民法で決められた方式に従って行われる、相続財産を一切承継しない、すなわち相続人にならない旨の意思表示をいいます。相続の放棄をしようとする者は、原則として相続開始後3か月以内に、家庭裁判所に「相続放棄の申述」を提出し、「相続の放棄の申述の受理」という審判を受けなければなりません。(民法第938条、家事審判手続法第201条第5項及び第7項)相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。(民法第939条)

Q81.

相続の承認とは、どういう効果を持つものなのですか?

A.

相続の承認とは、相続人が被相続人の権利義務を引き継ぐことを言い、単純承認、限定承 認の2種類があります。

  1. 単純承認(民法第920条)
    相続人が被相続人の権利義務をそのまま引き継ぐことです。何ら手続きは必要ありません。なお、相続人が民法で定められた行為を行った場合、自動的に単純承認したとみなされる場合がある(法定単純承認・民法921条)ので注意が必要です。
  2. 限定承認(民法第922条)
    相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して相続を承認することです。家庭裁判所への申述が必要です。相続人が数人いるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができます。(民法第923条)相続財産中債務が多い場合にはこの方法をとることもあります。

Q82.

相続はいつ開始するのですか?相続が開始した後、死亡した人の財産はどのように管理され、処分されるのでしょうか?

A.

人の死亡時から、相続は開始し(民法第882条)、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を受け継ぎます(民法第896条)。 この場合の死亡とは、自然死、事故死の他に、失踪宣告などにより、法律上死亡したとみなされる場合も含まれます。
相続人が複数人いる時には、被相続人の相続財産(債権債務)は、遺産分割協議が行われる等によって、個々の相続人への具体的な帰属が決まるまでは共同の管理のもとに置かれます。
その間は、保存行為・変更行為・その他の管理行為ができます。管理の費用は、相続財産の中から支払います。(民法第885条)
具体的な手続きについては、Q10.をご覧下さい。

Q83.

相続の対象となる財産には、どのような物があるのでしょうか?

A.

被相続人の財産に属した一切の権利義務(民法第896条)をいい、積極財産としてのプラス財産(現金や不動産など)と、消極財産としてのマイナス財産、つまり債務(借金など)があります。厳密には権利義務とは言えないものであっても、財産法上の法的地位と言えるものならば相続の対象となり得ます。(例:占有者の善意悪意、保証人・物上保証人としての債務、契約申込者の地位など。)

Q84.

本人が死亡した時点で、すでに子が死亡しており、子の子(本人にとって孫)は相続できるのですか?

A.

相続人である子又は兄弟姉妹が相続の開始以前に死亡し、又は欠格・廃除により相続権を失った場合において、その者の子が代わって相続人になることを、代襲相続と言います(民法第887条第2項、第889条第2項)。 代襲される者を被代襲者、代襲する者を代襲者と呼びます。
相続人の直系卑属(子)の場合は、どこまでも代襲します(再代襲・再々代襲、民法第887条3項)。 兄弟姉妹の子は代襲相続できますが、その子の子までには代襲相続権はありません(民法第889条第2項)。
代襲者の相続分は、被代襲者と同じです。被代襲者が相続を放棄した時、代襲者は相続はできません。代襲者が複数の場合、被代襲者の相続分を代襲相続人の人数に応じて均等に分けます。

Q85.

夫(妻)が亡くなったのですが、私はどれだけの財産を相続できるのですか?遺言書はありません。

A.

  1. 相続人があなただけの場合はすべての財産を相続できます。
  2. 相続人があなたと子だけの場合は、あなたがすべての財産の半分を相続できます。
  3. 相続人があなたと被相続人の直系尊属だけの場合は、あなたはすべての財産の3分 の2を相続できます。
  4. 相続人があなたと被相続人の兄弟姉妹だけの場合は、あなたはすべての財産の4分 の3を相続できます。

Q86.

法定相続分とはどのようになっていますか?

A.

平成25年9月5日以降生じた相続については、法定相続分は以下の通りになります(民法第900条)。それ以前に生じた相続については、法律の専門家にご相談ください。

  1. 子及び配偶者が相続人であるときは、配偶者に2分の1、子は残りの2分の1を人数で均等に分けます。嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等です。
  2. 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者に3分の2 、直系尊属は残りの3 分の1を人数で均等に分けます。
  3. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者に4分の3、兄弟姉妹は4分の1を人数で均等に分けます。但し、片親のみが共通(半血)である兄弟姉妹の相続分は、両親が共通(全血)である兄弟姉妹の半分です。
  4. 子のみが相続人である時は、人数で均等に分けます。嫡出子と嫡出でない子の相続分 は同等です。
  5. 直系尊属のみが相続人であるときは、人数で均等に分けます。
  6. 兄弟姉妹のみが相続人であるときは、人数で均等に分けます。但し、片親のみが共通(半血)である兄弟姉妹の相続分は両親が共通(全血)である兄弟姉妹の半分です。

 

Q87.

相続欠格、廃除とは何ですか?

A.

相続欠格とは、推定相続人について、相続をさせることが社会通念上相応しくない事情がある場合、法律上当然に相続人の資格を失わせる制度です。民法で定めるのは、故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡させたために刑に処せられた者や、詐欺・強迫により被相続人が遺言をし、撤回し、取消し、または変更することを妨げた者、相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠 蔽した者などは、相続人となることができません(民法第891条)。
廃除とは、被相続人が推定相続人に相続をさせることを望まない時、家庭裁判所に請求してその者の相続権を失わせる制度です。推定相続人が被相続人に対して虐待・重大な侮辱を与えるか、推定相続人に著しい非行があったことが必要です(民法第892条)。

Q88.

相続財産は負債が多いので、相続を断ることができますか?

A.

相続が始まった後、相続の放棄、すなわち相続人の意思で相続しないことができます。その場合、相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ケ月以内に、家庭裁判所において「相続放棄の申述」の手続きを行い、審判を受ける必要があります(民法第915条、第938条)。Q11.も参照ください。なお、相続の放棄をすれば、その直系卑属に代襲相続権は発生しません。

Q89.

相続人であるのに、相続ができない場合ってあるのですか?

A.

推定相続人とは、現時点で相続が発生した場合、法定相続人となり得る者のことを言い、その全員が実際に相続人になれるわけではありません。推定相続人が相続権を失うのは以下の場合です(民法第891条、第892条、第893条)。

  1. 相続人の死亡
  2. 相続欠格(Q18.)
  3. 推定相続人の廃除(Q18.)

Q90.

相続人になる人は決まっているのですか?

A.

相続人となるべき方及びその順位は法律で決められています。
配偶者は、常に相続人となります(民法第980条)。内縁の妻は、対象となりません。

第1順位 子
常に相続人となります(民法第887条第1項)。養子も相続人です(民法第809条)。養子(普通養子)は、実親と養親の双方から相続を受ける権利を有します。子には、胎児を含みます(民法第886条)。嫡出でない子(婚姻関係のない父母の間に生まれた子)の相続分は、従来、嫡出子の相続分の2分の1でしたが、民法の一部改正により、嫡出子の相続分と同等になりました。平成25年9月5日以後に相続が開始した(被相続人が死亡した)事案から適用されます。それ以前の相続で、相続人の中に嫡出子と嫡出でない子の双方がいる事案は、法律の専門家にご相談ください。
第2順位 直系尊属
被相続人の父母、祖父母等を言います。子がいない場合に相続人となります(民法第889条第1項)。被相続人に親等が近い者が優先します。
第3順位 兄弟姉妹
子供も直系尊属もいない場合のみ相続人となります(民法第889条第1項)。

Q91.

相続と遺贈の違いは何ですか?

A.

相続とは、被相続人の死亡後、相続人に対し、遺言による相続分の指定(民法第902条)、あるいはそれがなければ法定の割合(民法第900条)に基づき、被相続人の財産に属した一切の権利義務を引き継がせることを言う(民法第986条)のに対し、遺贈とは、遺贈者の遺言により、受遺者にその財産の全部又は一部を、包括的にまたは特定して贈与すること(民法第964条)を言います。
どちらも人の死亡を原因とする点(民法第882条、第985条)と、遺留分を侵害することはできない点(民法第1028条、第964条)においては同じです。
違う点は、相続における対象者は相続人ですが、遺贈の対象者は、特定されていません。従って、相続人以外の人に財産を遺したいのであれば、遺言により遺贈をすることが必要となります。

Q92.

「相続」とは何ですか?「被相続人」「相続人」という言葉を良く聞きますが、どういう意味ですか?

A.

「相続」とは、ある人が死亡したとき、その人の財産に属した一切の権利義務を受け継ぐことを言います。ただし、その人の一身に専属したものを受け継ぐことはできません(民法第896条)。死亡した人を「被相続人」、その所有していた財産を「相続財産」、その権利義務を受け継ぐ人を「相続人」と言います。相続人となれる人は、民法により、その範囲が定められています。

Q93.

本人が亡くなった後、遺言書が見つかった場合、遺族はどうすればよいのでしょうか?封がされている場合、開けて見てはだめなのでしょうか?

A.

遺言書が見つかった場合、保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければなりません。
(民法第1004条第1項)。「検認」とは遺言書の現状を確認し証拠を保全する手続きです。
但し、これを経たからといって遺言の内容が有効と確認されたものではないとされています。
封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができないことになっています。(民法第1004条第3項)なお、公正証書遺言の場合、検認の手続は必要ありません。(民法第1004条第2項)

Q94.

遺言は、一度書いたら書き直せないのですか?

A.

何度でも書き直すことができます。新しく作成した遺言で前に書いた遺言を撤回することも出来ます。また、被相続人の死後、複数の遺言書が見つかった場合、日付の最も新しいものが有効となります。但し、後で問題が起きないように、新しい遺言書を作成した時点で、古い遺言書を破棄する方がよいでしょう。(民法第1022条〜第1025条) 遺言書の作成は行政書士にご相談ください。

Q95.

遺言執行者とは何でしょうか?どんな役割をしますか?

A.

遺言執行者とは、遺言者によって指定された、又は家庭裁判所によって選任された者で、遺言書の内容を実現する責務を負った者です(民法第1006条・1009条・1010条)。
職務は、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為です(相続財産目録の作成、相続財産の管理、遺贈の履行、遺言認知の届出等)。なお、職務遂行にかかった費用、報酬等は、相続財産から支出されます。

Q96.

公正証書遺言を作るには証人が二人必要と聞きましたが、どんな人がなれるのですか?適当な方が見つからない場合はどうすればいいですか?

A.

証人は、「未成年者」、「推定相続人及び受遺者と、これらの配偶者及び直系尊属」、「公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人」以外であれば誰でもなれます(民法第974条)。もし、上記の方が証人として署名押印した場合はその遺言書は効力がありませんので(無効)、ご注意下さい。証人が見つからない場合は、公証役場で、もしくは行政書士などの専門家に、ご相談ください。

Q97.

遺言者が寝たきり等で公正証書遺言を作成するために公証役場まで出向けない場合は、どうしたらよいでしょう?

A.

遺言者の依頼によって、公証人に入院先の病院や自宅に出張してもらうことができます。
ただし、手数料に公証人の出張経費が加算されます。

Q98.

公正証書遺言はどのように作りますか?

A.

公正証書遺言は、公証人に対して遺言者が遺言の内容を伝え(「口授(くじゅ)」といいます。)、それに基づいて公証人が、遺言者の真意を正確に文章にまとめて作成します。これを公証人が遺言者及び立ち会っている二人の証人に読み聞かせ、又は閲覧させて、内容が正確かどうか確認し、3人が署名捺印することで完成します(民法第969条)。公証人は全国各地にある公証役場で執務しています。

(参考)口がきけない方、耳が聞こえない方が遺言書を作成する場合

平成11年の民法改正により第969条の2が追加され、口がきけない方が遺言書を作成する場合、通訳人の通訳による遺言者の申述又は自書を、上述の「口授」に代えなければならないことになりました。耳の聞こえない方に対しても、公証人は、筆記した内容を遺言者に伝えて、上述の「読み聞かせ」に代えることができます。

Q99.

自筆証書遺言を書き間違えたので、訂正はできるでしょうか?

A.

遺言に変更を加える場合は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して、特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じません(民法第968条第2項)。形式に間違いがあると、変更の効力が認められない場合もありますので、間違えた場合ははじめから書き直すか、行政書士などの専門家に相談してから訂正を行ってください。

Q100.

自筆証書遺言の書き方は?他人の代筆や、パソコン等で作成しても良いのでしょうか?

A.

自筆証書遺言は、その全文、日付及び氏名を自筆で書いた上でし、これに印(認印でも良い)を押さなければなりません。よって他人の代筆によるものは無効です。パソコン等の使用は、遺言者の真意を判定できないので無効とされています(民法第968条第1項)。

Q101.

同居して面倒を見てくれている子により多くの財産を相続させたいと思うのですが、可能でしょうか?

A.

その旨の遺言書を書くことで可能になります。遺言によって法定相続分(Q17.)とは異な る相続分を指定することができます。(民法第902条、903条第3項)但し、他の子の遺留分(Q3.)額を超えた相続分を指定した場合には、その他の子らに遺留分を請求する権利が発生しますので、注意が必要です。(民法第1028条)

Q102.

遺言には何を書いてもいいのですか?

A.

民法上は以下の事項について書くことが出来ます。これ以外の事項を書いても良いです が、法的な拘束力はありません。

  1. 遺産相続に関する事項
    • 推定相続人の廃除、廃除の取消し(民法第893条、第894条)
    • 共同相続人の相続分の指定又はその委託(民法第902条)
    • 特別受益者の受益分の持ち戻し免除(民法903条第3項)
    • 遺産分割の方法の指定又はその委託、遺産分割の禁止(民法第908条)
    • 共同相続人の担保責任の定め(民法第914条)
    • 遺言執行者の指定又は指定の委託(民法第1006条1項)
  2. 財産処分に関する事項
    • 包括遺贈・特定遺贈(民法964条)
    • 遺留分減殺方法の指定(民法第1034条)、寄附行為(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第158条2項)信託の設定(信託法第3条2号)
  3. 身分行為
    • 認知(民法781条2項)
    • 未成年者の後見人の指定(民法第839条)
    • 未成年者の後見監督人の指定(民法第848条)
  4. その他
    • 祭祀承継者の指定(民法第897条1項)

Q103.

遺言にはどんな種類があるのですか?

A.

民法で定められた遺言で、普通方式の遺言には次の3種類があり、よく利用されるのは(1)自筆証書遺言と(2)公正証書遺言です。 どの方式であっても、それぞれ民法で定め られた形式を守らないと無効となります。

  1. 自筆証書遺言(民法第968条)(Q30.・Q31.参照)
  2. 公正証書遺言(民法第969条)(Q27.〜Q29.参照)
  3. 秘密証書遺言(民法第970条)

(参考)特別方式の遺言は、以下の方式があります。

  1. 危急時遺言:疾病などで死亡の危急が迫っているため署名などできない者が遺言をしようとするとき、その趣旨を口頭で伝え証人が書きとめる方式。三人以上の証人の立会いが必要。(民法第976条)
  2. 隔絶地遺言:伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる者が遺言書を作る場合、警察官一人と証人一人以上の立会いが必要。(民法第977条)
  3. 船舶中遺言:船舶中にある者が遺言書を作る場合、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いが必要。船長又は事務員一人及び二人以上証人の立会いが必要。(民法第978条)
  4. 船舶遭難者の遺言:船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、口頭で遺言をすることができる。船長又は事務員一人及び二人以上証人の立会いが必要。(民法第979条)

Q104.

夫婦二人で、死後お互いにすべての財産を残す、との1通の遺言を書こうと思っていますが可能ですか?

A.

遺言は、ひとりひとりの意思によって個別に作成される必要があるので、二人以上の者が同一の証書ですることができません(民法第975条)。夫婦であっても共同で一つの遺言はできません。

Q105.

高齢で認知症の疑いがあるのですが、遺言書を作成できますか?

A.

満15歳になれば、誰でも人の同意を得ずとも遺言をすることができます。(民法第961条、 第962条)しかし、遺言をする時において、「事理弁識能力」が必要とされ(民法第963 条)、その判断は非常に難しく、後々トラブルに発展する場合もありますので、事前に法律の専門家に相談されることをお勧めいたします。(参考:民法第973条)

Q106.

遺言を書きたいのですが、どんな書き方でも良いのですか?

A.

通常、人が死亡すると、その人の遺産は法定相続人(民法に定められた一定の範囲親族)が 相続するのが一般的ですが、自己の死後、特定の人に遺産を相続させたい場合、あるいは、 誰がどんな割合で遺産を相続するかを指定して、万一、相続人の間で相続争いが起こらない ように備えたい場合など、自己の意思を文書にして遺言を作成しておきます。
ただし、民法により定められた方式で書かれていなければ、法的に効力のある(有効な)遺言書とはいえない(民法第960条)ので、注意を要します。